上棟式

上棟式が執り行われました。

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京都では上棟式のとき、御幣におかめさんの面をつけます。これは、ある伝説からの習慣です。
北野天満宮の近く、千本釈迦堂の本堂を建てていた大工。柱を間違って短く切ってしまった。その妻「おかめ」が「枡組で補えば良い。」と助言し事なきを得たものの、大仕事を成し遂げた棟梁が妻の助言で救われたと言われては夫の恥、とおかめは上棟式を前にその身を自ら絶ってしまいます。

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枡組です。

 

 

悲話ではありますが、お互いを支えあい助け合う円満な夫婦の鏡として今でも語り継がれています。

上棟式の時、この「おかめさん」を付けた御幣に無事安全を願って二礼二拍一礼をします。
夫婦円満と言えば、私たち建築に携わるもの、特に現場で作業をする者にとって安心安全に作業できることが大原則です。その最も基本となるものの一つが家庭円満。不安な気持ちがあったり不規則な生活・食生活などは不注意の元となります。
つまり、おかめさんに拝む時には併せて夫婦円満・家庭円満、それによって仕事をしっかり頑張るぞ!という気持ちも含まれています。
もし大工のおっちゃんが「うちのかみさんはおかめみたいや!」って言ってたなら、それは容姿に対して謙遜しながらも実は「自分のことを一生懸命支えてくれる最高の嫁さん!」という意味が含まれている・・と理解していただければ間違いないです。